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アンティークな琥珀堂

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米 対 デビアス

連載コラム
「地球Web(連環)」
【3】

ダイヤモンドが内包するアフリカの苦境
流通の7割握るデビアス社と米国が交渉
(2000年4月4日付)

 一月末、雪深いスイスのリゾート地ダボスに、世界中の財界人や政府要人が集まった「ダボス会議」(世界経済フォーラム)の華やかな会場の隅で、一つの会合が持たれた。アメリカ司法省の幹部と、世界のダイヤモンド原石の流通の七割を握る南アフリカの企業、デビアス社の幹部との会合である。
 彼らは、刑事と犯人の関係だった。司法省は一九九四年、デビアスが独占によって工業用ダイヤモンドの価格を不当に高く維持していると告発した。デビアスはこの裁判で有罪となり、世界最大のダイヤモンド市場であるアメリカでの直接販売を禁じられ、幹部がアメリカに入国したら逮捕されかねない状況となった。
▼デビアスを呼び出した米政権の外交戦略
 敵対する彼らが、わざわざ会合した背景には、政権の最後の事業として、歴史に残る和平交渉の成功を、世界のどこかで達成したいクリントン政権のアフリカ外交があった。アフリカには南アフリカのほか、多くのダイヤモンド産出国があるが、このうちアンゴラ、コンゴ民主共和国、シエラレオネなどでは、反政府勢力がダイヤ鉱山を占拠・採掘し、武器購入の資金源にしており、国連やアメリカの仲介による和平交渉が実らない一因となっている。
 デビアスはアフリカ産のダイヤ流通の大部分に関与しており、欧米のNGOはデビアスが内戦を助長していると批判している。アメリカ国務省は、紛争地で採れたダイヤに、その国の政府による証明書の添付を義務づける構想を打ち出したが、その実現にはデビアスの協力が不可欠だ。
▼永遠の輝きの裏に永遠の独占
 昨年末に国務省から打診を受けたデビアスは、協力する条件として、アメリカにおける自社に対する独占禁止法の緩和を求めた。国務省が司法省に働きかけ、ダボスの国際会議場の片隅での密会となった。
 とはいえ司法省は、独占禁止法を厳しく適用することを、自らの大切な存在理由としている。司法省はかつて巨大電話会社のAT&Tを解体して通信市場を自由化し、今またマイクロソフトを解体してコンピューター業界をかき回し、アメリカ経済の活性化に貢献しようとしている。デビアスだけ例外とすることはできない。この交渉は、破談になると思われた。
 だがデビアスは三月末、アフリカの反政府勢力が運営する鉱山で採れたダイヤの流通に今後は関与しないことを宣言し、アンゴラとシエラレオネの反政府勢力がダイヤの輸出拠点としてきたコンゴとギニアの事務所を閉鎖すると発表した。わざわざこんな発表をするということは、裏側でアメリカ政府との交渉が進んでいる可能性を示唆している。
 この交渉が難しいもう一つの点は、ダイヤモンドの価格はこれまで、デビアスの独占によって維持されてきたということだ。デビアスは、世界中のなるべく多くのダイヤを買い占めることで、ダイヤの世界相場を維持し、購入者に損をさせないようにしてきた。ダイヤモンドの「永遠の輝き」は、デビアスの「永遠の独占」によって守られている。司法省が譲歩できないのと同様に、デビアスも譲歩できない。
 アフリカの紛争地では、ロシア人やウクライナ人などの商人が、旧ソ連の過剰な武器在庫を売り、ダイヤを買っている。彼らは買ったダイヤをデビアスに売っていたが、デビアス撤退後は、別の買い手を探すことになる。彼らが別の買い手を見つけられれば、その分だけデビアスの独占は崩れ、ダイヤ価格の下落につながりかねない一方、反政府勢力のダイヤ販売は止まらないことになる。


連載コラム
「地球Web(連環)」
【3】

ダイヤモンドが内包するアフリカの苦境
流通の7割握るデビアス社と米国が交渉
(2000年4月4日付)

 一月末、雪深いスイスのリゾート地ダボスに、世界中の財界人や政府要人が集まった「ダボス会議」(世界経済フォーラム)の華やかな会場の隅で、一つの会合が持たれた。アメリカ司法省の幹部と、世界のダイヤモンド原石の流通の七割を握る南アフリカの企業、デビアス社の幹部との会合である。
 彼らは、刑事と犯人の関係だった。司法省は一九九四年、デビアスが独占によって工業用ダイヤモンドの価格を不当に高く維持していると告発した。デビアスはこの裁判で有罪となり、世界最大のダイヤモンド市場であるアメリカでの直接販売を禁じられ、幹部がアメリカに入国したら逮捕されかねない状況となった。
▼デビアスを呼び出した米政権の外交戦略
 敵対する彼らが、わざわざ会合した背景には、政権の最後の事業として、歴史に残る和平交渉の成功を、世界のどこかで達成したいクリントン政権のアフリカ外交があった。アフリカには南アフリカのほか、多くのダイヤモンド産出国があるが、このうちアンゴラ、コンゴ民主共和国、シエラレオネなどでは、反政府勢力がダイヤ鉱山を占拠・採掘し、武器購入の資金源にしており、国連やアメリカの仲介による和平交渉が実らない一因となっている。
 デビアスはアフリカ産のダイヤ流通の大部分に関与しており、欧米のNGOはデビアスが内戦を助長していると批判している。アメリカ国務省は、紛争地で採れたダイヤに、その国の政府による証明書の添付を義務づける構想を打ち出したが、その実現にはデビアスの協力が不可欠だ。
▼永遠の輝きの裏に永遠の独占
 昨年末に国務省から打診を受けたデビアスは、協力する条件として、アメリカにおける自社に対する独占禁止法の緩和を求めた。国務省が司法省に働きかけ、ダボスの国際会議場の片隅での密会となった。
 とはいえ司法省は、独占禁止法を厳しく適用することを、自らの大切な存在理由としている。司法省はかつて巨大電話会社のAT&Tを解体して通信市場を自由化し、今またマイクロソフトを解体してコンピューター業界をかき回し、アメリカ経済の活性化に貢献しようとしている。デビアスだけ例外とすることはできない。この交渉は、破談になると思われた。
 だがデビアスは三月末、アフリカの反政府勢力が運営する鉱山で採れたダイヤの流通に今後は関与しないことを宣言し、アンゴラとシエラレオネの反政府勢力がダイヤの輸出拠点としてきたコンゴとギニアの事務所を閉鎖すると発表した。わざわざこんな発表をするということは、裏側でアメリカ政府との交渉が進んでいる可能性を示唆している。
 この交渉が難しいもう一つの点は、ダイヤモンドの価格はこれまで、デビアスの独占によって維持されてきたということだ。デビアスは、世界中のなるべく多くのダイヤを買い占めることで、ダイヤの世界相場を維持し、購入者に損をさせないようにしてきた。ダイヤモンドの「永遠の輝き」は、デビアスの「永遠の独占」によって守られている。司法省が譲歩できないのと同様に、デビアスも譲歩できない。
 アフリカの紛争地では、ロシア人やウクライナ人などの商人が、旧ソ連の過剰な武器在庫を売り、ダイヤを買っている。彼らは買ったダイヤをデビアスに売っていたが、デビアス撤退後は、別の買い手を探すことになる。彼らが別の買い手を見つけられれば、その分だけデビアスの独占は崩れ、ダイヤ価格の下落につながりかねない一方、反政府勢力のダイヤ販売は止まらないことになる。


デビアスの戦略


デビアスグループにはダイヤ市場価格の安定のため、原石の独占販売システム以外に、もうひとつの戦略があったのです。


みなさん、このキャッチコピー、覚えてますか?

a diamond is forever.ダイヤモンドは永遠の輝き、デビアス

これは人類史上最も成功したといわれているキャッチコピーで、1948年の作品です。
さらに、1972年には日本中の男性を震撼させたキャッチコピーが登場!!!

婚約指輪は給料の3ヶ月分

「デビアスが一番成功したマーケティング戦略の要因は“女性がダイヤモンドをもらって何を感じるか”ということ。このことによって、ダイヤモンドは男性が女性を真剣に愛していることの証明になる」のだと、戎谷さんは言います。
数ある宝石の中で、ダイヤを贈ることだけが特別な意味を持つ、というデビアスが作ったイメージ戦略は大成功をおさめていると言えそうです。

しかし2000年7月、デビアスグループは、60年以上にわたるダイヤモンドの価格維持政策を放棄。宝石業界に衝撃がはしりました。
原田さんによると、「カナダやオーストラリア・ロシアの鉱山の単独行動」が原因とか。
かつてはデビアスグループで90%以上を独占していたダイヤ原石の市場も現在では50%程度までそのシェアが下がっているのです。

そこで王者デビアスが打ち出した次なる戦略、それは…
“ダイヤの消費市場を直接目指す”というもの。
そして、その最初のターゲットは日本なのです。
今現在、展開しているCMのキャッチコピーは?


スリーストーンダイヤのキャンペーンはサイトホルダー、ジュエリーメーカー、大手百貨店などが連携し、大きな成果を上げています。

その成功のキーワードは自分へのご褒美・・・

さらには世界有数の高級品ブランドグループ、モエヘネシールイビトンとの共同出資で新ブランドを展開。

その名もずばり「デビアス」!!!

とはいうものの、デビアスグループからは独立した形で営業を開始しました。店内にはハイグレードなダイヤモンドがずらり。時には、1千万程度のダイヤを求めに来るお客もいるとか…。
バブルの崩壊後、あらゆるものが価値を失っていく中で、ダイヤモンドくらいはその価値を保ったまま輝き続けて欲しい、人々がそう願えば願うほど、ダイヤモンドの守護者、デビアスグループの地位も揺るぎないものになるのです・・・
ダイアとアフリカと国連


ダイアモンドは「永遠」、「不屈」を意味する。その言葉を体言しようとたゆまぬ努力をしているのが世界のダイヤモンドを支配したこともあるデビアス社である。
ダイアモンド産業およびデビアス社の発展の歴史についてはこのサイトを参照してくださいな
アフリカの内戦のキーワードは民族と資源である。アフリカは日本と異なり資源が豊富な土地である。が、その豊富な資源が内戦の長期化を保証している。アンゴラにしろスーダンにしろコンゴにせよいずれも強力な反政府組織が長期にわたり政府軍と対峙できる資金面での裏付けは資源地帯からあがる利益であった。とりわけ、アンゴラ、コンゴ、そして今回中心に扱うシエラレオネの内戦はダイヤモンドと深く関わりを持ってくる。アフリカは世界のダイヤの75%近くを生産しており、当然この地域の動向はダイヤ業界に深刻な影響を与えるわけである
では、そろそろシエラレオネの内戦とダイヤについてまとめていこうかと思う。まずこの内戦の役者を確認する。直接戦闘を交えているのが政府と反政府軍・革命統一戦線(RUF)で、その背後にいるのが政府軍ではナイジェリアを主力とするECOMOG軍 (西アフリカ経済共同体平和監視軍)、旧宗主国イギリス、イギリスを通じて国連、そしてイギリスや国連に働きかけるデビアス社。一方、反政府軍RUFの方はリベリアのチャールズ・テイラー大統領となる。そして傭兵が関与してくる。政府側にはイギリスが雇った「世界最強」となうって現地入りさせたグルカ兵、政府軍が雇ったイギリスの傭兵会社、鉱山での採掘権をもとでに雇った南アフリカの傭兵会社「エグゼクティブ・アウトカムズ」がついている。それに、実態が分からないが独自の流通ルートを持ちいくつかの鉱山を南アフリカの傭兵で支配し操業するグループの存在もあり、第三勢力的な物とみていいのかもしれない。ただ、この独自ルートを持つグループというのはひょっとしたら傭兵会社「エグゼクティブ・アウトカムズ」のことであるかもしれない。コートジボアールかあるいはこのシエラレオネだったかは曖昧なのだが、採掘権をもとでに雇われた南アフリカの傭兵会社が逆に政府を脅かして契約期間が過ぎても鉱山を支配しつづけているというのを四年前にTVで見た事があるので、このシエラレオネの事であるかもしれないわけで今はなんとも言いがたい。
西アフリカ一帯が良質のダイヤの産地であり、同時にこの地域のダイヤとりわけシエラレオネのRUF支配地域のダイヤ鉱山のダイヤがデビアス社の利益を脅かしている。正規ルートを掌握しダイヤ市場の独占により経営が成り立っているデビアス社としては不正規ルートで流通する西アフリカ産のダイヤは看過しがたい脅威であった。デビアスはダイヤの供給量の増加によるダイヤの値下がりを防ぎ価格統制を維持していくためにはデビアスの資金で高値で買い取らざるを得なかった。そのデビアスの資金が不正規ルートのダイヤを流通させている反政府軍RUFにわたり、その資金でロシアの安くて性能のいい武器をロシアやウクライナの武器商人から買って武装を整えるのである。このままではデビアスは負のループにはまりこみ会社を傾ける事となる。それを防ぐために、デビアスはECOMOG軍なり、イギリスなり、国連に働きかけているわけである。さらに、アメリカのユダヤ資本を通じてアメリカ政府にも働き掛けている。ちなみに、デビアス社を代々経営してきたオッペンハイマー家のニッキー・オッペンハイマー卿をはじめとするデビアスの幹部はアメリカでは犯罪者で、アメリカ国内でデビアスが直接ビジネスを展開する事はできなかった。1994年、工業ダイヤの価格を不当に高く維持しているというかどでデビアスとGEが司法省に告発されたのだが、GEは無罪となりデビアスが有罪となったためである。オッペンハイマー卿は「ダイヤモンドの高価さは、物質としての価値からくるのではなく、人々の心理的な満足感に支えられている」と発言して、ダイヤモンドは独占禁止法の適用外と虫のいい主張をしている。で、ロビー活動の甲斐があったのかアメリカも不正ダイヤに乗り出して国連に働きかける事になった。その結果、アメリカ、イギリス、国連がデビアスの市場独占を擁護するという形でシエラレオネをはじめとする不正規ルートのダイヤに乗り出す事となる。デビアスとしても不正規ルートのダイヤを血塗られたダイヤとしてレッテルを貼り自身のルートのダイヤをクリーンなイメージにする事ができるわけで、願ったりかなったりなわけであった。
おかげさまで、国連のPKOが平和維持を目的としてシエラレオネに駐屯する事になった。しかも、国連史上最大の13,000人であるから意気込みが違う。アメリカはソマリアの惨事の所為で自国の兵を投入できず、ナイジェリアとバングラディッシュ軍の派遣を両国に要請した。もちろん、ただではないであろうが。いずれにしても、反政府勢力の支配下にある鉱山を取り戻すのが目的で、取り戻した暁にはデビアスの価格統制のための生産調整で鉱山が閉鎖されるんでしょう。
あと、この内戦で重要なのがカダフィーの人脈。反政府勢力で政府の副大統領(和平合意のため)という複雑な立場のサンコー副大統領や反政府勢力を経済・軍事面で支援しつづけるリベリアのテイラー大統領も、また反政府勢力の現地司令官「モスキート」と呼ばれる人物のいずれもがリビアのカダフィーのもとでゲリラ訓練を受けている。他にもアフリカ各地の要人でカダフィーの人脈に繋がる人がいるのでアフリカを見る際はこれも一つのファクターとして重要である。



デビアスLVは、2001年、世界最大のダイヤモンド採掘・マーケーティング会社デビアスSAと、世界のラグジュアリー・ビジネスを代表するLVMHモエヘネシー・ルイヴィトンによって設立されました。
2002年、ダイヤモンド・ジュエリーブランド“デビアス”が世界に向けて誕生。ダイヤモンドのエキスパートと、世界のファッションリーダーが一体となって生み出したデビアス独自の商品を、みなさまにお届けします。デビアスのコレクションをお求めいただけるのは、世界のデビアス・ショップのみとなっております。2003年9月には、日本でショップを3店舗同時にオープンしました。
LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン
LVMHモエヘネシー・ルイヴィトンは、ファッション、皮革製品、時計、宝飾品、ワイン、蒸留酒、化粧品、香水、特選品などを取り扱う、世界のラグジュアリー・ビジネスを代表するグループです。






デビアスSA
「デビアス」の名は、100年以上もの間ダイヤモンドの代名詞として親しまれてきました。デビアスSAは、ダイヤモンドの採鉱、採掘、回収、選鉱、評価、マーケティングの分野で世界をリードしています。
デビアスは、その100年以上の長い歴史の中で築き上げてきた、ダイヤモンド産業における経験とテクノロジーによってダイヤモンド産業を一新し、個々のダイヤモンドの専門家達が、世界で最も美しく、希少価値の高いダイヤモンドを選ぶことを可能にしました。
デビアスLV
の設立により、“デビアス”というブランド名を世界のコンスーマー・マーケットで使用する権利が、デビアスSAからデビアスLVに譲渡されました。





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